それでも子どもへの影響は「問題ない」?---郡山の学校のホットスポット
今年の4月9日に、こんなニュースが流れました。
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原発事故の影響で、福島県内の一部の学校では、校庭など屋外での活動時間を制限していますが、郡山市は、去年5月から3時間に限定していた屋外活動の制限について、除染が進んだとして9日、解除しました。
福島県内の一部の学校では、原発事故のあと、子どもたちへの放射線の影響を心配して、校庭など屋外での活動を取りやめたり、制限したりしていました。
このうち郡山市の公立の小中学校では、去年5月から体育など屋外での活動を1日3時間までに制限していましたが、校庭の土を取り除くなど除染を進めた結果、子どもへの影響は問題ないとして、9日から屋外活動の制限を解除しました。
このうち郡山市大槻町にある大槻小学校でも、早速、休み時間に子どもたちが元気に校庭で遊んでいました。
この学校でも、これまで運動会を市の屋内施設や体育館で行っていたほか、休み時間と体育の授業なども合わせて3時間に制限してきました。
制限の解除について大槻小学校の高橋裕昭教頭は「時間を気にせずに外で遊べるのは、子どもたちにとって大変いいことだと思います。子どもの元気な笑顔を見ることができて、とてもうれしいです」と話していました。
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(NHKニュース http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120409/k10014313361000.html)
※NHKのニュースのページはすでに消されてしまっています。
私はこの時、この、まるで喜ばしいことのように報じられたニュースに、
「本当によいんだろうか・・・?子どもへの影響は問題ないって、本当にみんなそう思っているの・・・?」
と、すごく疑問に感じていました。
ところが、実は郡山市の教育委員会は、今年1月23日から、市内の小中学校内で「ホットスポット」の測定を行っていたが、測定の事実と測定値を公開していなかった、ということが、5月6日に報じられました。
この事実は、一市民の方が情報開示請求を行ったことで、初めて明るみになったそうです。
そのちょっと前の4月下旬に、郡山市は急きょ、校内のホットスポットを除染することを発表したそうです。
除染はGW明けから開始するが、運動会には間に合わない、とのこと。
(東洋経済オンライン)
このホットスポットの測定値については、「ふくしま集団疎開裁判」のブログの記事に詳しく載っていますが、
9.999μSv/h以上になり計測不能、という箇所が、市内で5か所あったということです!
3μSv/h以上の箇所は・・・いっぱい!
『除染を進めた結果、子どもへの影響は問題ない』・・・って理由で、制限解除したのでは?
別の記事(KFB福島放送)では、「制限時間解除は、他の市町村に先駆けて学校校庭の表土除去を進め、空間放射線量は平均で毎時0.2マイクロシーベルトに低下したことなどを受けての措置。」と書いてありますが、0.5μSv/h以上のところだって、ざらにあるし!
・・・全然、除染できていない、のでは?
そして、さらに問題なのは、市はそれを知っていて、それなのに、問題ないとして、制限を解除した、ということ・・・
この問題が、なぜ「ふくしま集団疎開裁判」のブログで取り上げられているかというと、ブログ中にも説明がありますが、
この裁判は、郡山市の児童と保護者が、市に対し、子ども達を(被ばくで健康を害する心配のない)安全な場所で教育を受けさせるよう、申し立てをしたものです。
ところが、残念なことに、昨年12月の判決で却下されてしまいました。
その却下の理由の一つが、
「校庭の表土除去や、児童生徒の屋外活動の制限など、市は、子ども達が学校生活で受ける放射線量の低減化に向けた措置をとっており、それが一定の効果を上げている」
―――だから、子ども達を避難・疎開させる必要はない。
という理由だったのです。
ところが、屋外活動の制限は解除されてしまい、放射線量の低減化は効果が薄い中で、今なお子ども達は被ばくの危険性がある中で教育を受けている、ということが、今回のホットスポット問題で明らかになった、と言えるのではないでしょうか。
郡山市は、自らの主張に反することをしていたのです。
これからこの裁判は、高裁で争われることになっていますが、この事実が証拠として提出されれば、一審で「疎開は必要ない」と判断された理由が覆ることになります。
これまでも、原告側(疎開を求める児童と保護者)は、放射線の専門家の意見書や、親たちのたくさんの陳述書、独自の汚染マップなど、たくさんの証拠を提出し、子ども達の避難・疎開を主張してきました。
それは、決して、子ども達の被ばくを心配することが、『神経過敏』や『煽っている』わけではなく、子ども達の安全を確保するために行政としてやるべきことがあることを裏付けるものだと、私は思います。
裁判所には、せめて、「このような環境は子どもの教育にふさわしくない」と、私は認めてほしかった。
でも、一審では、却下されてしまいました。
私は、三郷で放射能汚染に会い、子ども達を被ばくから守るためにどうしたらよいのか、短い間でしたが、色々考えてきました。特に、本来なら子どもが健全に育つためにある『教育の場』が、放射能に対してはまったく意識を持たない(あえて意識から追い出そうとしている)ことに、本当に愕然としました。
「校内の放射線量を測ってほしい」ということすら、実現してもらうまでに、市議会に請願を出したり、市に要望書を出したり(専門家を呼んで調査したり、記者会見したり!)しなければなりませんでした。
自分の子なのに、ひとたび学校に行ってしまったら、被ばくをさせないようにすることができない・・・
それは本当に親として苦しいことでした。
どうして学校に行かせなければならないのか?何のために行かせるのか?
子どもが元気に健康に育つために、教育というのはあるのでしょう!
それがどうして、子ども達に無防備に被ばくをさせる場所になっているのか?
そんなのって、おかしい!
そんなふうに考える中で、私は「子ども達を安全な場所で教育させることを求める」という疎開裁判に興味を持ち、行方を見守ってきました。
この裁判が認められれば、郡山、そして福島県内のみならず、三郷でも、全国でも、子どもを被ばくさせないという当たり前のことが、もっと堂々と(社会的に)認められるようになるのでは、という思いがありました。
「安全な場所で教育を受ける」--- ごく当たり前の言葉ですよね?
でも、これが一審では認められなかったのです。
連休前に娘が小学校から持ち帰ったお手紙に、「連休中はぜひ家庭で自然体験を」、という内容の文章がありました。
そのままの転載は控えますが、かいつまんで説明すると、
学校教育について定めた法律「学校教育法」には、義務教育の達成目標として、10の項目がある。
その2番目に、
「学校内外における自然体験活動を促進し、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと」
とあり、自然体験の重要性が、最重要項目に続き2番目に上げられている。
原発事故以来、自然についてかつてないほど関心が高まっており、高度な科学技術社会の中でこれから生きて行く子ども達にとって、自然について考えさせることはたいへん大きな意味があるのではないか・・・
というような文章を踏まえ、連休中はぜひ、家庭で自然と触れ合う機会を、、、という内容でした。
原発事故のことが(一瞬であれ)書かれていたため、興味を持って読みました。
私自身は、この内容を大変考えさせられました。
屋外で過ごし、自然と触れ合うことが、子どもの教育にとっていかに大切か。
国の法律で、定められているのですね。
だから、遠足や林間学校や虫取りや農業体験…いろんな行事がある。
でも、自然が豊富なそういう場所ほど・・・被ばくの危険があるのです。
私はこの春に香川に来てから、子ども達とよく公園にでかけます。
息子は、昨年1年で、1歳から2歳になりました。
歩き始めて体を動かし始める時期・・・その1年に、ほとんど外で遊ばせられませんでした。
こちらに来てすぐは、公園に行ってもぼんやりしていたのに、すぐにみるみる活発に動くようになりました。
この1か月半ほどで、体を動かすことがすごく成長したのはもちろんですが、言葉や理解力、表現などの内面の成長もすごく大きいと感じます。
自分でやろう、という意欲もすごく湧いてきました。
(それがまたタイヘンなんだけど・・・)
外の世界、特に自然の中で過ごすことは、それだけで五感を刺激し、子どもを生き生きとさせ、子どもなりの自尊心とか自立心すら養っているように感じました。
風の音を聞いたり、虫を見つけたり、花を摘んだり、土を触ったり・・・そういう他愛ないことが、子どもの心をわくわくさせるんだと思います。
私は教育の専門家ではないけど、親としての直感で、自然との触れ合いが子どもの育ちにとってすごく大切なことを実感しました。
だから、その手紙の文章を見て、すごく納得したのです。
そして、すごく考えてしまいました。
子どもは、外の世界で自然と触れ合いながら、自らを成長させていく、当然の権利があるのではないか、と思ったのです。
それがどうして、(原発事故がなければあり得なかった)被ばくと引き換えでなければならないのか?
そもそも、子どもの健全な成長にとって大切なことを経験するために、健康を害するリスクを負う、ということ自体が、おかしいと思えてなりません。
子ども達がそういう環境の中で育つ(育たなければならない)ということそのものが、実はとっても大問題なのではないか?と思ってしまいます。
そのことを、日本の政治はまったく扱おうとしないし(自らの法律で決めていることなのに)、裁判所ですら「問題ない」と判断したことが、本当に信じられない思いです。
(そして、日本の広い範囲が、原発事故によってそのような環境になってしまったことが、いかに大問題か・・・
考えると改めて怖くなってしまいます。)
被ばくを避けるために、屋外活動を制限するのは、やむを得ないと思います。
でもそれは、あくまで緊急措置であって、「子どもの健全な成長」という面でトータルに考えた時に、それはやっぱり根本的な解決策ではないように思えます。
活動を制限することは、一時的な対策としては必要だと思います。
でもやっぱり、子ども達は、被ばくの心配のない場所で、のびのびと過ごすことが、本当に大切なのです!
今の環境が、すぐに汚染が取り除けるメドが立たないなら、子ども達を汚染の心配のない場所に連れて行き、本来のあるべき教育を受けさせる。
放射能汚染がそう簡単になくならないだろうことを考えると、やはりこういう方法を行政として考えていかなければならないのでは、と感じます。
この「疎開裁判」が、次の高裁ではぜひとも認められてほしいと思います。
【ふくしま集団疎開裁判】ブログ
http://fukusima-sokai.blogspot.jp/
【世界市民法廷】みなさんがぜひ「疎開裁判」の判決をしてください!(まだまだ募集中)
http://fukusima-sokai.blogspot.jp/2012/03/blog-post.html
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